教育長ひと言
教育長が、教育に関する想いを「この月に想う」と題して綴ったコラムです。
「十一月に想う」 特別活動の時間
山々の木々の葉があざやかに色づき、秋の深まりを感じる季節になりました。10月に学校訪問をした中学校では、校内音楽会(合唱コンクール)に向けて、懸命に学級や学年団で練習をしている生徒の姿を見ることができました。また、五色台集団宿泊学習に向けて、事前準備を行っている姿や宿泊学習後の振り返りの掲示物も目に留まりました。生徒会役員選挙に向けて立候補者のポスターを掲示している学校もありました。さらに、小学校では学級活動として、コの字型に机を並べ、児童が司会や記録の役割を立派に果たしながら、活発に学級会をしている姿も見ることができました。
そのような中、先日、書斎の棚に並んでいる、以前学級担任をしていた頃の学級文集を久しぶりに手に取ってみました。開けば、それぞれの学級の笑いあり涙ありの足跡が今でも鮮やかによみがえってきます。

ある2年生のクラスでは、学級会で、「このクラスの思い出を残すために学級文集を作ったらいいと思います。」というある生徒の提案のあと、「ちょっと待って、文集作るのが一番いい方法かな?」「みんな大人になっても大切にする?」「いや、絶対に思い出に残る。」「みんなで作らんと、意味ないんちがう?」などと白熱した議論を重ね、その後の文集の名称も含め1時間も議論したという記録が載っています。クラスのメンバー一人ひとりが自分の意見を自由に遠慮なく言い合える、しかも民主的な方法でそれを整理していく学級の仕組みは貴重です。
今でも大切に保管している文集には、クラス全員のプロフィールやコメント、1年間を振り返った「クラスの10大ニュース」や「〇年〇組の足跡」、「みんなの未来予想図」など、子どもたちの工夫とアイデアがあふれています。1ページ1ページめくるごとに、遠い日の記憶がよみがえってきて、若き日の自分という教員の姿が浮かんでくるようです。
学級文集を開き、当時、今より教育課程にゆとりがあった何十年も前のあの頃を思い出しつつ、先日10月5日に文部科学省から示された「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」の方向性や来年9月からの高松市の部活動の地域展開により生まれる教員と生徒の放課後の時間に思いを馳せ、特別活動の在り方について考える日々です。

※イラスト 佐々木啓祐先生
特別活動には、いくつかの内容があります。教科の学習のように教科書がなく、実施に当たっては、学校や学年、学級担任の裁量で特色ある取組を行っています。「学級活動」「児童会・生徒会活動」「学校行事」など、多岐にわたる内容の特別活動ですが、総合的な学習の時間が創設されてからは、その区別が難しくなってきており、特に中学校では、小学校に比べて学級活動の時間が十分に取れていないのではないかと感じることがあります。学級の子どもたちの「絆づくり」のカギは自治的な活動だと考えます。ただ先生に言われたことをやっているだけ、敷かれたレールの上を歩くだけ、困りごとはAIに相談・・・では、子どもたちは育ちません。
学級の困りごとや課題、クラスで団結して行う場面等に臨み、みんなでどうやって解決していくかについて話し合う学級会など、その過程を通して、友達の多様な意見や価値観、背景を認め合い、対立や葛藤と向き合いながら納得解を創造していくことは、特にこれからの変化の激しい社会を生きていく子どもたちにはとても重要な体験ではないでしょうか。
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